あとがき

海岸の、端から端まで、ゆっくりとガラスのかけらを探す。
その時間が、いつしか私にとって、とても大切なひとときになっていました。
少しずつ歩きながら、時に空を見上げ、海を見つめ、宇宙について、生について、人間について、そして自分について、本当に沢山の事を、感じ、考えました。
そうして見つけたガラス達には、生命が宿っているように見えました。

それらに穴をあけ、糸を通し、そして空中に張り巡らしていった時、その生命がもう一度力を得、呼吸を始めるのを、はっきりと感じました。

あれから6年。
アトリエも変わり、あのインスタレーションは、もうありません。
でも、ガラス達は場所を変え、また新たな場所に、新たな宇宙を創り続けています。
あの小さな中庭から始まったわたしの小さな試みは、これからも形を変えながら、枝を増やし、根をはり続けてゆくでしょう。

最後に、そのガラス達の今の写真とともに、この記録を終わらせたいと思います。
読んでくださった方達、本当にどうもありがとう。

                        2015年4月 写真:La Escocesa にて。




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